映画『ファンタスティック・フォー』は権利失効3日前に撮影を開始し、3度失敗した
映画の歴史において、権利を守るためだけに撮影された映画は多くない。1994年のファンタスティック・フォーは、公開を最初から意図せず、期限の3日前に撮影を開始した。
ドイツの映画会社コンスタンティン・フィルムが1986年に約$250,000で取得したファンタスティック・フォーの映像化権は、「7年以内に製作を開始しなければマーベルに戻る」という条件付きだった。その条件が、3度の映画化失敗と20年に及ぶ迷走のすべてを規定した。
X-MENがFoxとマーベルの戦略的判断の産物だったとすれば、ファンタスティック・フォーはスタジオが権利を手放せなかった末に積み上げた失敗の記録だ。
1986年——$250,000の権利と7年の縛り
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ファンタスティック・フォーの映像化権を最初に取得したのは20世紀フォックスではなく、ドイツの映画会社コンスタンティン・フィルムだった。プロデューサーのベルント・アイヒンガーが1986年にマーベルから購入した金額は、当時のコミック原作映画の権利としては格安の約$250,000だった。マーベルはこの時期、財政難に苦しんでおり、映像化権の売却が資金調達の手段になっていた——この構図はX-MENの権利がFoxに渡った経緯とも重なる。
権利契約には期限が設けられていた。一定期間内に映画の製作を開始しなければ権利がマーベルに返還されるという条件で、最初の期限は1992年12月31日に設定された。コンスタンティンが映画を作れなければ、ファンタスティック・フォーはマーベルの手に戻る。アイヒンガーはこの期限を、2004年にフォックスとの配給契約を結ぶまでの間、自力で守り続けなければならなかった。
失効3日前の奇策——1994年のロジャー・コーマン版

公開しないために作った映画
1992年、権利の期限が迫る中でアイヒンガーが選んだ手段は、わずか$100万ドルの超低予算で映画を撮影することだった。起用されたのはB級映画の名手ロジャー・コーマンで、撮影は権利失効日の3日前に開始した。オリー・サッソン監督のもとでキャストを集め、短期間で1本の映画を仕上げた。
問題は、この映画が最初から公開を意図していなかった点にある。制作に関わったスタッフの証言によれば、アイヒンガーはすでにより大規模な映画化を計画しており、コーマン版は権利を延長するための手続きとして機能させることが目的だった。映画は完成し、1994年1月にミネソタ州のモール・オブ・アメリカでのプレミア上映が計画されたが、直前に突然中止された。Marvel幹部のアヴィ・アラドが制作費相当の金額でコーマンとアイヒンガーから映画を買い取り、公開しないことを条件とした。現在も劇場公開されていない。
FoxへのバトンタッチとB級映画の役割
コーマン版の封印後、アイヒンガーはコーマンに対し、より大規模な映画化が計画されており低予算版は邪魔になると説明した。2004年、コンスタンティン・フィルムは20世紀フォックスと配給契約を締結し、本格的な映画化が動き出した。コンスタンティンが権利を保持し、フォックスが配給する形は、Foxが権利を完全に所有していたX-MENとは異なる体制だった。$250,000で取得した権利は、10年以上の維持を経てようやく商業映画としての形を得た。
Fox配給時代——2005年と2007年の2本
![ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]](https://image.tmdb.org/t/p/w1280/97Sl8wiR9ULc53YMfiAUf9wWbdM.jpg)
ティム・ストーリーの2作品
2005年、ティム・ストーリー監督のもと『ファンタスティック・フォー』が公開された。製作費は8,750万〜1億ドル、全世界興行収入は3億3,350万ドルを記録した。批評家スコアはRT 28%——商業的には成功に近かったが、批評面の評価は低かった。リード・リチャーズ(ミスター・ファンタスティック)やスーザン・ストーム(インビジブル・ウーマン)といったキャラクターの描写が薄いという指摘が相次いだ。
2007年の続編『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』は、シルバーサーファーとギャラクタスを登場させながらRT 38%、全世界興収3億190万ドルという結果に終わった。前作を下回る収益と批評を受け、Foxは路線の再検討を迫られた。シルバーサーファーの単独映画も開発が進んでいたが、最終的にキャンセルされた。
幻のX-MENクロスオーバー計画
2011年頃、Foxはファンタスティック・フォーとX-MEN、デッドプール、デアデビルを一堂に集めた大規模なクロスオーバー映画を計画した。脚本はアシュリー・エドワード・ミラーとザック・スタンツが担当し、監督候補にはポール・グリーングラスの名が挙がった。しかしFoxは『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』を優先し、クロスオーバー計画は棚上げになった。その後の大規模クロスオーバーは『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014年)が担う形に変わり、ファンタスティック・フォーは別路線に切り離された。
Fant4stic——史上最低の再起動(2015年)

リブートが崩壊するまで
2015年、Foxはジョシュ・トランク監督を起用して全面リブートを試みた。マイルズ・テラー、マイケル・B・ジョーダン、ケイト・マーラ、ジェイミー・ベルというキャストを揃え、製作費1億5,500万ドルを投じた作品の全世界興収は1億6,790万ドルにとどまった。製作費をわずかに上回る数字は、マーケティング費用を含めると約1億ドルの損失を意味した。
批評家スコアはRT 9%——シリーズ最低であり、スーパーヒーロー映画としても最低水準の評価だ。ゴールデン・ラズベリー賞では最低映画賞・最低監督賞など複数部門を受賞した。当初予定されていた2017年の続編はキャンセルされ、Foxによるファンタスティック・フォーの映画化計画は事実上終わりを告げた。
現場崩壊の記録
トランク監督は公開直前に自身のTwitterで「自分が作りたかった映画とはかけ離れたものになった」と投稿し、スタジオとの対立を示唆した。報道によれば、Foxによる大幅な再撮影と編集介入が行われ、トランクが意図した暗いトーンの作品から別の方向に変えられたとされる。ジャスティス・リーグにおけるワーナーの介入とよく似た状況だったが、最終的な批評スコアはさらに低かった。トランクはその後メジャー作品を手がけておらず、事実上ハリウッドから遠ざかった。
ディズニーが解決した——2019年と権利の帰還
![ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]](https://image.tmdb.org/t/p/w1280/qq9ELjoyllBUMkGisZvcj0fCd43.jpg)
2015年のFant4stic失敗後、Foxはファンタスティック・フォーの次の映画化計画を持てないまま時間を費やした。そして2019年3月、ウォルト・ディズニー・カンパニーが約713億ドルで21世紀フォックスを買収した。この取引によって、X-MENとともにファンタスティック・フォーの権利が事実上マーベルスタジオに返還された。コンスタンティン・フィルムが1986年に$250,000で手に入れた権利は、33年後に世界最大のメディア企業の買収劇の中で解決した。
2025年、マーベルスタジオは初のMCU版ファンタスティック・フォー映画『ファンタスティック・フォー:ファースト・ステップス』を公開した。批評家スコアはRT 88%——Fox時代の最高スコアである38%から50ポイント更新した。権利を守るために撮影を始め、3度失敗し続けた映画が、権利問題の解消から6年後にようやく本来の評価を得た。
ファンタスティック・フォーの歴史が示すのは、権利の維持を目的とした映画化が品質を担保しないという単純な事実だ。7年ごとに訪れる期限が制作の動機になるとき、作品の完成度よりも権利の延命が優先される。その縛りの外に出たとき——ディズニー買収によって期限の概念ごと消えたとき——ファンタスティック・フォーははじめて本来の評価を受けた。
ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]
Fantastic Four
ファンタスティック・フォー
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