— MCU Character File 02 —
LOKI
ロキ
2011年、虹の橋から手を離して落ちていった瞬間から、彼の物語は始まる。
2012年のある一瞬を境に、ロキは二人に分かれていく。
ロキの物語は、一人の人物の年表として素直には並ばない。2012年のある瞬間を境に、同一人物だったはずの存在が二つに分かれ、以後は別々の運命を歩むためである。
以下ではまず、アスガルドに連行され続けた"本流のロキ"を2018年の結末まで追う。そのあと2012年のその瞬間まで巻き戻り、TVAに捕らわれた"分岐したロキ"の物語をドラマ『ロキ』シーズン2まで追い直す。粗筋はすでに知っている人のために、何が変わり、何を失い、何を選び直したかに絞る。
TIMELINE — BRANCH A
本流のロキ 2011 → 2018
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01
王位への野心の果てに出自を知り、虚空へ落ちる。
オーディンの息子として育てられたロキは、実の父がフロスト・ジャイアントの王ラウフェイであり、生まれて間もなくヨトゥンヘイムに捨てられていたところをオーディンに拾われ、アスガルド人に見えるよう姿を変えられていた事実を物語の途中で知る。
追放された兄ソーの代わりに王位を代行していたロキは、オーディンに認められようとヨトゥンヘイムの破壊を企てる。ソーに阻止され、虹の橋ビフレストを破壊された末、目を覚ましたオーディンに真意を問い詰められたロキは、認めてもらいたかっただけだと訴えるが拒絶され、宙づりのまま自ら手を離して虚空へと落ちていく。
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02
地球侵略に失敗し、兄に連行される。
虚空を経て何者かと接触したロキは(のちに、その相手がサノスだったと分かる)、テッサラクトを使って地球に降り立ち、S.H.I.E.L.D.の施設を襲撃してテッサラクトを奪う。科学者エリック・セルヴィグに作らせた装置でニューヨーク上空にチタウリ軍団を呼び込むが、集結したアベンジャーズに敗れる。
ハルクに叩きつけられて戦意を失い、ナターシャ・ロマノフがロキの杖でポータルを閉じたことで侵略は終わる。ソーに連行され、アスガルドで裁きを受けることになる。
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03
死を偽装し、オーディンに成り代わって玉座に座る。
エーテル(のちの現実の石)を狙う闇エルフの首領マレキスとその配下カースの襲撃で、ロキはソーを守るためカースを刺し、返り討ちにされてソーの腕の中で息絶える、ように見える。
実際には配下のアスガルド衛兵と姿を入れ替える幻術を使っており、死は偽装だった。ロキはオーディンの死を報告に来た使者を始末して王宮に戻り、本物のオーディンを幽閉する。映画の最後、玉座に座るオーディンの姿でにやりと笑う人物こそロキ本人であることが明かされる。
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04
成りすましが露見し、アスガルド最後の日を生き延びる。
物語冒頭、ソーはロキが自作自演で上演させていた、オーディンの高潔な最期を描く演劇を目撃し、成りすましを見破る。ソーに連れられて本物のオーディンをノルウェーで発見するが、オーディンはその場で老衰により息を引き取る。死の間際、2人が知らなかった長女ヘラの存在を明かす。
ヘラはアスガルドを制圧し、ロキとソーは滅亡の予言"ラグナロク"を逆手に取り、炎の巨人スルトゥルを解き放ってヘラを退ける。アスガルド生存者を乗せた宇宙船が脱出する中、ロキは崩壊直前の宝物庫からテッサラクトを持ち出していたことが最後に明かされる。
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05
兄を守るためテッサラクトを差し出し、絶命する。
サノスの船に総攻撃を受けたアスガルド難民船で、ヘイムダルが殺され、ソーは捕らわれる。ロキはソーを救うため、隠し持っていたテッサラクトをサノスに差し出すが、隙を見てサノスの殺害を試みる。失敗し、サノスに首を絞められ絶命する。
今度は、生き返らせない。
サノスがロキに告げた言葉(原語: "No resurrections this time.")。この本流のロキがその後の作品に再登場することはない
本流のロキの物語はここで終わる。ここからは、2012年に姿を消したもう一人のロキの物語に移る。
2012年の捕縛シーンには、実は続きがある。2019年公開の『アベンジャーズ/エンドゲーム』で、2023年のアベンジャーズが同じ2012年のスターク・タワーに舞い戻ってテッサラクトを回収しようとした際、ハルクの乱入に驚いたトニー・スタークがケースを落とし、まだ捕らわれる前のロキがテッサラクトを掴んで転送、姿を消してしまう。
本来起きるはずのなかったこの逃走によって、新たな分岐タイムラインが生まれる。以後、2人のロキが並行して存在することになる。
タイムトラベルが物語に課すルールと、そのルールが破られる瞬間への関心は、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』はタイムトラベルのルールを作り、それを捨てたとも通じるテーマである。
アスガルドに連行され、この先も映画本編で描かれ続ける。2018年『インフィニティ・ウォー』で死亡し、以後の作品に再登場しない。
一度も捕まらず、TVA(時間変異取締局)に発見される。ドラマ『ロキ』シーズン1・2の主人公となる。
TIMELINE — BRANCH B
分岐したロキ 2012 → TVA
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06
誰にも知られないまま、テッサラクトを掴んで逃げ出す。
2023年のアベンジャーズによる時間強奪作戦の副産物として、まだ捕縛される前の2012年のロキが動く。スターク・タワーに侵入したトニー・スタークがハルクの乱入に驚いてテッサラクトの入ったケースを落とした瞬間、ロキがそれを掴んで転送し、姿を消す。
本来起きるはずのなかったこの逃走によって、新たな分岐タイムラインが生まれる。TVA(時間変異取締局)のミニットメンがモンゴルのゴビ砂漠でこの分岐ロキを拘束し、ドラマ『ロキ』が始まる。
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07
TVAに捕まり、自分自身の変異体と対峙する。
TVAは、あらゆる分岐を刈り取って"神聖時間軸"を維持する組織である。エージェント、メビウス・M・メビウスに協力を強いられたロキは、TVAから逃げ続ける別のロキ変異体、シルヴィを追う任務につく。
2人はシタデルで、TVAの真の創設者"在り続ける者(ヒー・フー・リメインズ)"と対面する。彼は、自らの変異体同士による多元宇宙大戦を防ぐために無数の分岐を強制的に刈り込む体制を作ったのだと明かし、後継として自分を殺すか代わりに支配者となるかをロキとシルヴィに迫る。信用できないシルヴィはロキにキスをして時の扉へ突き飛ばし、単身彼を殺害する。
神聖時間軸は歯止めを失い、無数の未来へ分岐し始める。TVAに戻ったロキを、メビウスもB-15も、もう誰も覚えていない。
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08
時間軸を守るため、たった一人で玉座につく。
シーズン1の余波で、ロキの体は時間軸を無秩序に飛び移る"タイムスリップ"の副作用に苛まれる。分岐の急増でTVAの"時間織り機"が崩壊寸前になる中、ロキは織機が延命措置に過ぎず、いずれ神聖時間軸以外のすべての分岐を切り捨てる仕組みだったと知る。
最終話、ロキは崩壊する織機の中心に自ら踏み込む。分岐を刈り取るのではなく、無数の時間軸を自分自身の内に抱え込んで支え続ける存在になることを選ぶ。北欧神話の世界樹ユグドラシルを思わせる姿となり、たった一人、すべての現在を支え続ける"ゴッド・ロキ"となった。
トム・ヒドルストンはこの結末を、6本の映画と12話にわたるロキという役の締めくくりだと公の場で明言している。
WHAT'S NEXT
2026年12月18日、アベンジャーズ:ドゥームズデイ
ロキ自身の物語は、2023年配信のシーズン2で完結している。だが2026年8月のD23で公開された最新映像には、確かに彼の姿があった。スティーブ・ロジャースとペギー・カーターの家、2人の間に生まれた赤子とともに20世紀に暮らす家を、ロキが訪ねてくる場面である。
身にまとっているのは、シーズン2のラストで見せた緑のローブではなく、TVA捜査官時代のスーツ姿。手には自分自身の顔が印刷されたTVAのカードを持ち、裏面にはユグドラシル、ロキ自身が生み出した多元宇宙の樹の意匠が描かれている。"ゴッド・ロキ"となったはずのロキが、なぜTVA捜査官の姿でスティーブとペギーの前に現れるのか、劇中での説明はまだない。
公式に確定しているのはここまでで、それ以上の筋書きは現時点で発表されていない。